数年前、夫を見送りました。
葬儀が終わって、親族が帰って、家に戻ったとき。
静かすぎる部屋の中で、最初に思ったのは「これから、どうすればいいんだろう」でした。
悲しみより先に、不安が来ました。
お金のこと。
手続きのこと。
これからひとりで暮らしていくこと。
看護師として40年、たくさんの患者さんの「その後」を見てきたはずなのに、いざ自分のこととなると、何も分からなかった。
その経験があって、私はFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取りました。「もっと早く知っておきたかった」と思ったことを、ちゃんと学び直したくて。
今日は、あのとき私が最初に整えた3つのことをお伝えします。
① 通帳と保険を、一枚の紙に書き出した
夫が亡くなって一番困ったのは、「夫名義のお金がどこにあるか分からない」ことでした。
銀行口座はいくつあるのか。
保険金をどう扱えばいいのか。
夫の年金はのこと。
家の登記のこと。
調べるだけで、何週間もかかりました。
それ以来、私は自分の「お金の地図」を一枚の紙に書いています。
- 銀行はできるだけまとめておく
- 加入している保険の種類と受取人
- 年金の受給額(見込み)
- 固定費の一覧(家賃・光熱費・通信費など)
難しくありません。A4の紙1枚でいい。
「もし私が突然倒れたとき、子どもたちが困らないように」という気持ちで書くと、不思議と手が動きます。
② 固定費を、ひとり分に切り替えた
夫がいたときの生活費のまま、ひとり暮らしをしていました。
スマホは夫婦でセット割にしていたプランのまま。
車の保険も二台分のまま。
NHKの受信料も、気づいたら払い続けていました。
FPの勉強をして気づいたのは、
「固定費は一度見直せば、ずっと効き続ける」ということ。
私が削れた主なもの:
- スマホを格安SIMに変更 → 月約5,000円削減
- 車を1台に → 保険・税金・維持費が大幅減
- 主人のサブスクを解約 → 月約5,000円削減
- NHK解約
合計で月10,000以上。
年間にすると12万円以上。大きな節約ではないかもしれません。
でも、これが年金生活になったとき、じわじわと効いてきます。
③ エンディングノートを書き始めた
「終活」という言葉が、以前は少し怖かったです。
でも看護師として、最期に後悔を抱えた方をたくさん見てきた私には、
「準備しておくことは、怖いことじゃない」と分かっていました。
エンディングノートに書いたのは:
- 延命治療についての自分の考え
- お葬式はどうしてほしいか
- 大切にしているものと、誰に渡したいか
- 子どもたちへの一言
- パスワードアプリのパスワード
- パソコンのパスワード
書いていると、自分が今何を大切にしているかが、はっきりしてきます。
「死の準備」というより、「今をどう生きるかを確認する作業」でした。
整えると、不安が少し軽くなる
ひとりになって2年。
今でも寂しい日はあります。
でも、お金のことが見えていると、不安の「輪郭」が小さくなります。
漠然とした不安は大きく見える。
でも「何が分かっていて、何が分かっていないか」が分かると、対処できる気がしてきます。
60代からでも、遅くありません。一緒に、少しずつ整えていきましょう。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。おその💐
